ポンド(通貨)が出てきますが、1ポンドの平均相場は、130円~150円で取引されています。
「私の1時間のアドバイスが欲しい方は、他にいませんか?」
…
100億円企業の創業者であるゲイリー・ヴェイナチャックのコンサル権を獲得する入札が始まった。
そのコンサル権とは、100億創業者であるゲイリー・ヴェイナチャックから「1対1+1時間」で事業相談を受けられる権利が“たった1人だけ”買えるというオークションだ。
以前、ゲイリーから事業相談を受けた人は、1か月経たないうちに約500万ほども収益が増加したという実績があるので、会場にいた400人の参加者たちのオークションは大いに盛り上がりを見せた。
ーー500ポンド!
ある男が口火を切った。
しかし、そんな金額の価値でないことは誰もが知っている。
すぐに他から、「600ポンド!」と声が上がった。
…
そして競り金額は瞬く間に、1000ポンドという額に達した。
それでもまだまだ入札の声がやむことはなかった。
ただ、1500ポンドを超えたあたりから、会場にいた400人の客でも手を上げる者はごくわずかになっていた。
その少数の人間だけだが、“たった1人だけが手に入れられる”という超プレミアなオークションは過熱化していった。
1500、2000、2200、2500!…
…入札額はどんどん上がり続ける。
そして、3000ポンドという額が超えたあたり…
「その権利を買えるなら、いくらでも支払うぞ!」
という者は、2人に絞られていた。
両者とも1歩も引く気はない。
どちらも相手が提示した金額の100ポンド高い値を叫び続けていた。
…
一向に終わる気配がない…
・・・いったい、いつになったら終わるんだ・・・
初めは楽しんで見ていた他の傍観者も、次第にイラつきを見せ始めていた。
そんな会場の空気を感じ取ったゲイリーは、こんな提案をした。
「OK!2人の熱意は伝わった。なら、両者に4000ポンドずつ支払っていただき、私がどちらの相談にも乗るというのは、どうだろう?」
…
この提案に文句があるはずもない。2人はすぐに同意した。
そして、ゲイリーは、ほんの少しの間で、自分の2時間をいとも簡単に8000ポンドで売ったのだ。。
(※日本円で約100万~120万円ほど)
「商品価値」が天井知らずに上がり続ける仕組み…
さて、この話から学べる教訓とは何でしょうか?
…
××まだ泳がせておけば、もっと高く売れただろw
…確かに、もっと高く売りたかったら、普通に売れたでしょう。
ですが、そんなことではありません(笑)
(※ちなみに、ゲイリーは、その時受け取った金額は、すべて慈善団体に寄付しています。)
では何か?
…それは、
⇒商品価値は、たった2人の熱心な顧客がいれば、上がり続ける!
ということです。
つまり、、
100人中98人が提示価格が高いと感じていても、そのうち、2人にさえ「欲しい!」と思ってもらえれば、高収入を得られるビジネスは成り立つのです。。
競りに参加した「3タイプ」
少し、今回の話の教訓ポイントを整理してみましょう。
今回の事例である100億企業の創業者ゲイリー・ヴェイナチャックの「コンサル権」を懸けた競りに参加した人たちは、大きく3つに分けられます。
①興味はあっても、お金を払ってまで入札したいと思っていなかった、
→“購入意欲のない”人。(つまり、ただの傍観者、野次馬)
②欲しいとは思ってはいても、“支払い能力がなかった”、
→買いたくても買えない人。(将来、買い手になる可能性はあるが、現時点では無理。言い方が悪いですが、貧乏人とも言えます。)
③欲しいと思っていて、さらに“支払い能力もあった”、
→ほんの一握りの買い手。
…お気づきでしょうが、“お金を生み出す顧客”というのは、最後の3番目のタイプの顧客たちだけなのです。
そして、売り手の商品に価値を感じて高価格でも支払ってくれる「熱心な顧客」というのも、このタイプです。
つまり、いくら「欲しい!」という感情を抱いてくれる人でも、お金を持っていない顧客を集めていては、ビジネスは成り立ちません。
なので、むやみやたらに集客するよりも、、
最高の顧客=「欲しい」+「お金を持っている」
こんな状態にいる人たちを見定め、適切な集客・販売をすることが、自分の「商品価値」を高めるカギなのです。。
【事例】1兆9,000億円でも買いたい!という2社…
実は、もっと“大きな事例”を紹介すると、こんなのがあります。
↓↓
2014年2月19日。
「WhatsApp」というスマートフォン向けのメッセージ・アプリ企業が、ある企業によって、190億ドル(約1兆9,000億円)という金額で買収されました。
…
この金額は誰もが、「さすがに高すぎる!ここまでの価値はない!!」と思っていました。。
ですが、そうは思ってなかった企業が2社いたのです。
…
その2社とは、「facebook(フェイスブック)」と「Google(グーグル)」です。
「どうしてもその企業が欲しい!」
冒頭で紹介した入札の件と同じように、どちらもなかなか引かず、どんどん値はつり上がっていきました。
そして最終的に、190億ドル(約1兆9,000億円)という想像がつきにくい桁の金額…
そんな金額を「WhatsApp」の経営者は、手にしたのです!!
ちなみに、「WhatsApp」は、2016年2月時点でユーザー数は、10億人を超える超巨大アプリへと成長を遂げたので、facebookの見立ては間違っていなかったわけですが、重要なのはそこではありません。
注目すべきは、
「facebook(フェイスブック)」と「Google(グーグル)」以外は、“支払い能力のない”もしくは、“価値を感じていない”企業だったわけです。
ですが、たった2社が「めちゃくちゃ欲しい!」と思っていただけで、これだけの金額が動いたのです!
つまり、ほんの一部の人に「価値ある存在」となれば、少数顧客でも顧客数の多い企業の利益を上回れる!ということです。(顧客数など関係なくビジネスが成り立つ!)
一部の顧客にとって「価値ある存在」となるために…
では、一部の顧客にとって「価値ある存在」となるには、どうしたらいいのでしょうか?
…
「価値ある存在」と一言で言っても、人にはいろんな性格があるように、その種類はさまざまです。
価格の安さを重視する人、人間関係を何より大切にする人、新しいものが好きな人…などなど、人によって、何に反応するか?は変わってきます。
重要なのは、「自分は何を提供できるか?(強み)」を知り、「それを誰に売れば、最大限利益を引き出せるか?(市場)」を定めることが必要なのです。
そういった、強力な“ポジショニング・ブランディング”を目指している人におすすめの一冊があります。
↓↓
それは、『市場独占マーケティング』という本です。。
“競合など関係なし”「独自市場」の築き方!『市場独占マーケティング』【内容・要約】
この本は、さまざまな観点から「独自市場」を築くための戦略が示された一冊なのですが、
その中の1つに、これからビジネスで確固たるポジショニング・ブランディングをしたい人にとって、興味深いアイデアがありました。
それは、「1つの市場で“支配的地位を築く”ための方程式」のような内容についてです。。
市場で「支配的地位を築くための方程式」とは?
これは、どんなものかというと、
これまで“確固たるポジショニング”を確立した企業のすべては(例に漏れず)、
次の4つの要素のうち、どれか1つで特化する戦略を取っているというのです↓↓
✓「イノベーション(革新的商品・サービス)」
✓「人間関係」
✓「利便性」
✓「価格」
興味深いのは、この4つの要素のうち、1つで特化するだけでなく、
さらに、この中からもう1つの要素で“優位的ポジション(特化まではいかないが、そこそこの力を注ぐ)”を築いていると言います。
【事例】例えば、「どんな戦略」を取った企業?
例えば、「Amazon」を例に挙げてみましょう。
「Amazon」は、従来の本業界の“利便性”を一新させました。
それまで本の購入は、書店などで買うのが一般的でしたが、「Amazon」は家にいても同じものが届くという“手軽さ”で、他の書店を圧倒しました。
また、“価格”の面でも、優位的ポジションを築き、その地位を盤石なものとしたのです。。
→Appleの「iPod」は“イノベーション”という点で飛び抜けました。
あまり知られていない“地域規模でイノベーション”を起こした例を挙げると、
→「気功」という観点でマッサージ・プログラムを作って、話題となったサービスなどがあります。。
…などなど、挙げればまだまだたくさん出てきますが、(事例は、本書にいろいろ載っています。)
要するに、もしこれからどこかの市場で確固たるポジショニングを築き上げたいなら、
「イノベーション(革新)」「人間関係」「利便性」「価格」
という4つの要素の中から、自分はどこを1番強化するのがいいのか?を考える必要があるということです。。
“売り手優位”のポジショニング戦略がまとまった一冊!『市場独占マーケティング』【レビュー・評価・感想】
今回はこの4つの要素を軽く紹介しただけでしたが、『市場独占マーケティング』の中では、さらに詳しく掘り下げて解説されています。
✓【警告】実は、これら“4つの要素”の中で、決して組み合わせてはいけない要素同士があります!⇒4つの要素を配置する「十字グラフ」を確認し、その対立軸に位置する要素の組み合わせは避けるようにしましょう!
✓「イノベーション」の3つのタイプを知り、自分の“強み”に合った戦略を打ち出しましょう!⇒1つ目のタイプではAppleの「iPod」が、2つ目のタイプでは「facebook」が、3つ目のタイプでは、ファッション業界の「ラルフローレン」が、イノベーションを起こし、【独占市場】を築き上げました!
✓「人間関係」で特化を狙う?なら、P-47から「顧客と信頼関係を築く3つ方法」を学び、消費者が他社で買わなくなるぐらいの“特別な関係”を作り上げましょう!
✓「不便」の壁を打ち破り、「利便性」を高める3つの戦略!⇒利便性の向上で市場に打って出るなら、注目すべきポイントは“流行”を軸にして考えることです。
✓「低価格」で大企業に勝負を挑むのは自殺行為ですよね?…【STOP】実は、小さな企業が大企業と「価格」で競争することも十分可能なんです!⇒P-51で、「価格を抑え、利益を確保する3つの方法」をご覧ください!
…などなど、これらはすべて、本書の「原則3(P-41~)」で学ぶことができます!
もちろん、これらは『市場独占マーケティング』で学べるほんの一部に過ぎません。
まだまだたくさん「独占市場」を築くためのアイデアが盛り沢山でした。。
最後に、私個人の感想ですが、この「4つの要素を意識した戦略」を深く学べたことは、とても参考になりました。
というのも、自分の企業の強みを活かすなら、「どこを重点的に力を注ぐべきか?」「どこを切り捨てる覚悟をすべきか?」
などが、はっきり明確になったからです( ..)φ
もし今回紹介した「支配的地位を築くための方程式」について、もう少し掘り下げて知りたい方や、本の内容を詳しく確認したい方は、下のリンクから確認してみてください。。
P.S.『市場独占マーケティング』の内容をまとめた要約レビューは、下の関連記事でも解説していますので、ぜひご覧ください↓↓